膝の安定性を向上させて痛みを治す

膝の痛みの原因には膝周りの筋肉の柔軟性や筋力の低下・アンバランスが挙げられます。
まずはストレッチで固まった筋肉をほぐし、次にトレーニングで低下した筋力を強化することが重要です。

しかしこれだけでは不十分です。
膝という関節は日常動作やスポーツ時に、衝撃や捻りなどの負担に常にさらされている為、膝を守るには柔軟性と筋力に安定性も追加する必要があるのです。

膝は全身の中でも比較的長い太ももと脛の骨をつなぐ部分である為過剰な力が加わりやすいという特徴があります。
それにも関わらず、肩関節のように一方の骨端が窪んでいてそこにもう一方の骨がはまるという形状ではなく、太ももの大腿骨が脛の脛骨に乗っているという非常に不安定な状態です。
その不安定さをカバーするのが筋肉や靭帯なのですが、単純に筋力を鍛えるだけでは安定性を発揮するには不十分です。

安定性を向上させるには不安定な状態でのトレーニングが必要ですが、そのトレーニングに適しているのがアレンジを加えたスクワットです。
これからご紹介するスクワットは、一般的なスクワットのフォームを習得していることが前提になりますので、スクワットを初めて行う方やフォームに自信のない方は基本のスクワットを身につけてから行ってください。
※基本的なスクワットのフォームは「正しいスクワットで膝痛解消」で詳しく解説していますのでご参考ください。


安定性を高めるスクワットでは「ソフトジム」と呼ばれるボールを使用します。

 
 
 

このボールを片方の足の下に置き、スクワットを行います。
足をソフトジムの真ん中に置き、上から見た時に両方のつま先が正面を向いているか確認してください。


スクワットのフォームは通常と同じになるように意識しましょう。


ソフトジムを踏んでいる方は不安定になりますが、しっかり体重を乗せて真上からソフトジムを潰すイメージでスクワットを行います。


上の写真のフォームでは膝が内側に入ってしまっている為、つま先と膝の向きが揃うように修正する必要があります。
ソフトジムを踏んでいる分不安定さが増しますので、想像以上にフォームが崩れやすくなります。
左右の足とも5~10回を、ゆっくり集中して行いましょう。

このスクワットは膝だけでなく股関節を安定させるトレーニングにもなっています。
その為、膝だけに集中しすぎず足の付け根のぐらつきも抑えるように意識して行うとさらに効果的なトレーニングになります。
膝や股関節は日常生活の中での咄嗟の動作などで、自覚症状がなくても大きな負荷がかかっています。そのような予期せぬ動作で加わる負荷を軽減するには、この不安定な状態でのスクワットは最適です。

しかしフォームがなかなか安定しない場合は、スクワットのフォームが習得しきれていないことが考えられます。しばらく基本のスクワットを継続し、体に正しいフォームの感覚を覚えこませてからソフトジムを使ったスクワットを行いましょう。

                        

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